昔住んでいた家に行ってきた。

実家に帰省中なのだが、昔住んでいた祖父母の家を訪れた。
両親が共働きだったため、、13歳までは祖父母の家で祖父母、姉、オレの4人で暮らしていた。両親の家と祖父母の家は車で10分とかからず、週に2日は両親宅に泊りに行ってたから離れて暮らしていたわけではないけども。

そして昨日行ってきた。祖父が亡くなり、祖母も入院したため、現在の祖父母の家は廃墟状態だった。しかもリアルに山の中に建っているため、半ば山と一体化していた。鍵を持っていくのを忘れていたため中に入ることは出来なかったが、それでも十分だった。

ほんの10年前はここで暮らしていたんだと思うと、なんというか、すごく寂しいけど不思議と嫌ではない気持ちになった。
祖父母の家は本当に山の一部になりつつあるのだろう。人間が作った家のくせに、すでに人間臭さがほとんど消えていた。あと10年もすれば、踏み入ることも難しくなるのではないか。
静けさに満ちていたけど、なんの音もしなかったわけではない。鳥は木の実をついばみに来るし、なにやらあちこちでガサガサ音がする。でもそれは山のなかなら当たり前のことで、つまりは人間の発する音が消えてしまうと、こんなにも静かに感じてしまうということなんだ。

珍しいことに、この家では山からの湧き水をひいて利用しており、風呂は五右衛門風呂だった。上水道は辛うじて整っているものの、下水道は通っておらずトイレは汲み取り式だった。少々古風な、ぶっちゃけ古い家だったけど、あの生活を幼いときに送ることが出来てよかったと思う。今でもあんな暮らしが出来たらいいと少し思ってる。